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黒い笑い

ONは今でこそ、すっかり正義の味方面してあれこれ愛の伝道師みたいな事をのたまっておりますが、それは昔からそうだったわけではなく、かつてはまぁ、どちらかと言えば悪者? というか平均から見ると、相当下劣? な部類に位置する人間でありました。 はい。




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二十歳前のONを良く知るものはその変化がよく分かるでしょう。
かつてはホントにね。
黒かったですよ。 
真っ黒でしたよ。 
精神が。 
ええ。 
申し訳ないんですけど。
虐めとかもしてましたしね。
いやまぁ、根が小悪党ですからそんな陰湿なのとかはさすがにしませんでしたけどね。
でも人の気持ちとかは結構踏みにじってましたよ。
いや、踏みにじってたと言うと語弊があるか。
理解できなかった。
人の気持ちを理解する事ができなかった。
結果、知らぬ間に人の気持ちを踏みにじっていた。
まぁ人間は、とりわけ男子はね。 若い頃は特に、人の気持ちなんて考えませんけどね。 でもまぁ、それでも平均よりはかなり下だったと思う。 ONの理解能力は。
それがまぁ、歳を追って加齢臭の増加と共に、だんだんと理解できるようになってきてね。 徐々に精神が白くなってきたんですけどね。
いや、理解能力については、今でもそんなに高くはないか。 その代わり、理解しようとする意志は結構高くなったんじゃないかと思う。
そして、この変化を自分では大変気に入ってる。
ONの人生の中でもかなりの大革命だったのでね。
しかしながら、それをどう我がせがれ達に伝えていくか。
じゃっかん決めかねている部分がある。
というのはまず。
表題にした黒い笑い。
例えば人の悪口をネタにした笑いなど。
特に中学くらいの時だけど、男子はそれが、もの凄く楽しい。
これを見ている女子達からはもの凄いブーイングが飛びそうだけども、
それはそれは、ビックリするくらい面白いのである。
腹はよじれ、アゴは外れ、頬骨は砕け散る。
そんな大爆笑の渦なのである。
だがそれは。
人の気持ちを考えられない人間だけができるとても黒い黒い笑いである。
すなわち今のONではもうできない笑いである。
しかしONはその楽しさを知っている。
そして、それこそが青春だった。
そんなバカタレだった自分に後悔もない。
しかし我がせがれ達はどうするのか。 
その甘味なる時間を取り上げるか、どうするのか。
という問題。

あとは、人の気持ちを考えると生きにくい。
かつては人の気持ちをほとんど考えることなくのほほんと生きていたが、ある時点からそれが変化する。 そうするとビックリする。 人の感情が怒涛のように流れ込んでくるのだ。 その前が流れ込まな過ぎたのもあって、そのギャップにホントに息がつまりそうになった。
当然黒い笑いは出来なくなるし、何かをすれば誰かが傷つくのが見えて何も出来なくなる。 街を歩けば困ってる人ばかりが目に付き、電車では一瞬たりとも座れない。 事件が起これば加害者の精神状態にまで目が行ってしまうし、どんな理解不能な悪党でも、必ずそうなった理由があると思うと、非難も出来ない。 そしてかつて自分がそうであったために軽々しく非難する人さえ非難する事が出来ない。 がんじがらめである。
まぁしかしそれは、結構初期の段階の事で、今はまた少し変化して随分消化できるようになりましたけどね。
しかし、我がせがれ達にそれを伝える時。
どうすればいいのか。
子供の内からそんな閉塞感を味あわせてしまっていいのだろうか。
未熟な状態でそれを消化させる事ができるだろうか。
という問題。

等を考えると、 少し考えあぐねてしまうのである。


まぁなるようになるんだろうけども。
こちらが何を言ったって、聞く耳持たないかもしんないし。
逆に勝手にONから盗んでいくかもしんないし。







せがれ達よ!
だが、最終的にはココに来い! こっちが人間だ。



↓今日のせがれ覚書↓

せがれ弟 0歳1ヶ月
最近、ホントよく笑って話しかけてくるなぁ。 子供の笑顔ってのはなんでこう悩殺なのか。 もうホント、脳みそブヨブヨんなりますよ。 物理的に。
せがれ兄 4歳7ヶ月
昨日も皿洗いにいそしみましたよ、ええ。
しかし、確かにこんな事で グズグズ言ってたら、包丁とか持ち出した時、凹むな。 覚悟を決めよう。

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コメント ( 5 )


いとう :

黒い時のONさんにも誰かが何かを言ってたんじゃない?
でも耳に入んなかったんでしょ。

同じ同じ、きっと同じになるよ。

せがれ弟の笑顔に悩殺されてますか、うんうん。

TkG :

人の心を理解し、なお黒い。
どうすれば、どうなるのか、それらを全て理解した上で、痛みだけを感じようとしない。
そういった人間こそが本物の黒なのだ。


子供だけが持つ無知であるが故の黒さ。
それならば、そこから学ぶこともあろう。
現にON選手は、すっかりホワイトニングされたわけで。
言われて、言って、傷ついて、傷つけられて、そうしてコミュニケーション能力を相互に高めていって、人間になるんだよね。
だから大丈夫。
ON選手のせがれだ。
ON選手と奥さんが傍で支えている限り、きっと真っ直ぐに育つよ。

大切なのは、「考える」ことじゃなく「どうする」かなんだ。
傷ついている人、困っている人、泣いている人、落ち込んでいる人、僕は、そんな人たちがどうすれば笑ってくれるか、知りたいんだ。
そんな人たちに、空は青いんだって、世界は明るいんだって、だから上を向いて大口を開けて笑おうって伝えたいんだ。

ぶん。 :

別にまっすぐ育とうが、曲がって育とうが、いいんじゃまいか?

人として最低限の道を外さない程度に鍛えておけば、あとは子供自身の責任ですよ。
だって、もう母親とへその緒でつながってないんでしょ。

立派な個人です。

miya :

初めまして。

7/16のblogを読んでいて、ふと、思い出した事がありました。
去年ぐらいかな?ドリフターズの特番が多かったですよね。
家族で見てて「これはPTAがクレーム言うわ」って思いました。
でも、子供の頃って笑ってみてましたよ。
そして、うちの子供も笑って見てました。
親になってしまった私は笑えなくなったけど、子供は笑っている。
自分は子供の頃見てたのに、子供には見るなって言うのも変だし、
とても複雑な気分になりました。
ただ、1人を複数でからかっているのに対しては
「あんなのダメだよね」って怒ってるのを見てホッとしました。

親の思いや考えは、押しつけるのではなく伝えるぐらいでいいと思っています。
たぶん、ONさんが書いてる様に「なるようになる」と思ってます。

jininu :

初めまして。
記事を読み思い当たることがたくさんありました。
黒い笑い、自分も大好きです。
でもおっしゃるとおり、人の痛みを想像することも大切です。
ただ、黒い笑いの許されない世の中は今よりシアワセだとは思えません。
自分よりも強い立場にいる人間に対しては、有効な笑いだと思ってます。




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