いや、もうねぇ。
正直ひぃどかったんですよ。　せがれ兄の運動能力は。
いや、運動能力というか、たぶん彼の卓抜した恐怖心が相当運動能力発達を妨げていたと思うんですよね。
あれは確かまだ１歳くらいん時だったかなぁ。　階段を降りる時ね。　まだ小さいから後ろ向きになって足から降りるように言ったんですけどね。　彼ったらもう、階段の、そうねぇ、１ｍくらい手前から既に後ろ向きになって、ズルズルと階段まで這いずって行くんですよ。　え～っと、ゴメンなさいね。　分かりにくい文章で。　伝わってる？　絵ぇは出てる？　出て？　悪いんだけど。
まぁまぁ、そのようにしてですねぇ。　とにかく石橋は叩いて崩して、怒ってわめき散らすという、意味不明な行為を繰り返す大暴君だったわけです。
で、この前もね。　幼稚園で縄跳びをするって言うんで、庭先で練習してみたんですけど、これがまたヒドくてねぇ。　まぁまぁせがれ兄にしてはまだマシな方ではあったけども、しかし聞くところによると、クラスの友達は結構ぴょんぴょん飛んでるらしいんですよ。　それに引き換えせがれ兄と来たら。。。
いや、あのぅ、まずは走りながら飛ぶのをやってるんですけどぉ。　なんとか頑張って1回。　飛ぶのが精一杯。　しかも正確には飛んでない。　ただ縄を下に置いて、その上を走っているだけ。　それにも関わらず。　1回。　が精一杯。
ＯＮはそれを見てね。　『うおッ！　飛べたッ！　スゲーじゃん！！』と喝采をあげるも、内心は ((うはぁ。。。大丈夫かこれ。。。)) と目を覆っていたわけで。。。

がしかし！

先日！

再度、彼の縄跳びを見てみたんですけど。
上達してる！
しかもかなり！
走りながら最高６回飛べた！
しかもちゃんとジャンプしてるじゃあござんせんか！
『うお！マジで？！　スゲーじゃん！！』
と初めて彼の運動を見て諸手をあげて賞賛できた瞬間でした。
しかも、気をよくしたせがれ兄は縄跳びを置いて、今度は自転車にまたがり、こぎ始めた！
この前まで恐る恐るで、なんとか乗れてます風だったのに、スイ～ッと、さも乗れますよ的な感覚でこぎ出し、そして調子に乗って立ち漕ぎ！　しかも出来てる！
そして更には自転車を乗り捨て、今度はちゃりんくるを持ち出す！
そして漕ぐ！
うお！　乗れてる！
しかも腰が引けてねぇ！
なんたる事でしょう！
神は！　 確かに居た！
その時ＯＮは確信した！
せがれ兄の後姿に神の姿が重なったのだ！
彼こそが神だった！
せがれ兄ではなく、せがれ神だったのだ！
いや、全然面白くない！

まぁ、というようにですねぇ。
なんか一皮向けたかなぁって。
ちょっと思うんですよねぇ。　我がせがれ兄。
やっぱしねぇ。
なんだろう。
時期っていうのがあるんですかねぇ。
その子その子、それぞれに。
何かが出来るようになる時期ってのがさ。
それを見極めないで、無理矢理さそう思ってもなかなか上手く行かなかったりとか、逆に心を折ってしまったりとか。　そういう事もあるのかもしれませんねぇ。
焦らず黙って見守っていれば、その内普通にできるようになる事って多いのかもしれないですねぇ。






せがれ兄よ！

でも、縄跳びが飛べた時、
『クラスの○○君がこうやって飛んでたんだよ！』
って言うもんだから、
((おぉ、なんだよライバル居んのかよ！))
って思って、ちょっと高い段差のトコで
『これ飛んでみたら？　○○くんだったら飛ぶぜ？　きっと』
って言ってみたら。

『いいの。　僕は飛べなくて。』

『だって、○○くんは5歳だけど、僕はまだ4歳だもん。』


って言っていたね。

でも、キミはもう５歳だよ。　おもっきし。

残念なんだけど。