« 前の記事 | HOME | 次の記事 »

『天の瞳』(灰谷健次郎)を読んでみた






あのう。
随分前になるんですけどね、コメント欄だったか、Twitterだったか、メールだったか忘れちゃったんですけど、『天の瞳』読んでみたら? って言われましてね。
なんでも、『育児の全てがそこにある』って。
随分と挑戦的なことを言うもんだから、灰谷さんあんま興味なかったんですけど、勢いで全巻揃えてしまったんですよね。



スポンサードリンク


ただねぇ。
ハードカバーで8冊あるんですよ。
8冊。
これねぇ。
注文する時はそーでもなかったんですけど、いざ届いてみるとね。
いやぁ。。。

無理っしょ。

いつやるの?

無理っしょ。

みたいなね。
ことで。
まぁ、放置。
しちゃったわけですよ。
うん。
でまぁ、月日は流れ去年の夏頃だったかしら。
ふと、ホコリまみれになったそれが目に付きましてね。
なんとなくパラっとページをめくってみましたらね。
あのねぇ。
案の定、つまんなかったね。

いつやるの?

つまんねーよ!

みたいなことでね。
再び放置。
しかけたんですけど、作業の合間に見る本がなんもなかったんで、しょーがなくタラタラと読んでましたら、これがどーでしょう。
1巻の途中辺りからちょっといきなり様子が変わって来ましてね。
グイグイと引き込まれざるをえない感じになってきたんですよね。
で。
気付いたら、一気に。
一気に2周読みましたね。
8冊を2周読みましたよ。
あのねぇ。
あったね。
そこには育児の全てがあったね。

いつやるの?

うるせーよ、それ、もう下火なんだよ。

みたいなね。
ことで。


いやあのねぇ。
まぁ、『育児の全てがある』って言うとあれですけど、なんていうんだろう。
う~ん。
精神と精神というのかな。
子どもと。
正面から。
精神で向き合う。
みたいな。
子供を子供扱いしない。
ましてや、ペットや動物のような感覚ではない。
もっと『人間としてしっかり立ち向かう。』
そして、それには『こっちも人間である必要がある。』
というような。
そんな感覚?
うん。
とにかく『ムムム』っときたんですよ。
『これは正直イカンかな? イカンかったかな?』と。
ONは子どもたちと『対峙』してきたか。
子どもたちの精神に添ってきただろうか。
子どもたちの精神と向き合える力量を持っていただろうか。
いや。
ない。
正直なぁなぁにしていた。
ただ漠然と相手をしていた。
しかし、もっとできることがある。
それは、もっと高尚なことをする、と言うことではなく。
常に一生懸命育児に専念する、ということでもなく。
別に肩肘を張って背伸びしてみてもしょうがない。
上に伸びるんではなく、下にしっかり腰を落とす。
少なくとも人間でいよう。
子供の目でまっすぐ見られた時に、人間に映るように。
そうして、人間として子どもと対峙しよう。
そういう風に思ったのです。
正直、本に出てくるエピソード、本の中で親たちがする行動について、全てに賛成できるわけではなかったけど、その下に流れる『子供の心に添う』という精神には、非常な感銘をうけたんでね。 まぁまぁ、その先に出てくる行動は、家庭それぞれで違ってもいいんだろう、と。
そんなふうに思い、読み進めつつ。
あとはまぁ、後半はちょっと理想論過ぎる感じで、あれだったんですけどね。
しかし。
しかし、一番残念だったのは。
ONは全然知らなかったんですけど、この本、未完だったんですよ。
未完。

いつやるの?

終わってねーんだよ!

みたいなね。
もうねぇ。
後半ビックリするくらい風呂敷を広げてくるんですよ。
ちょっとこれ、灰谷さん、どーやって畳むんですか、って。
もっそいワクワクしながら読み進めてったんですけど、明らかに、畳み込む気ぃがないままページが無くなってくのね。
そんでブチンと切れんの。
おい!
何があった!
って。
思ったら亡くなちゃったんですって。
灰谷さん。
マジで?
え、マジで?
って。
もうねぇ。
惜しい人を亡くしたよ。
ホントに。
灰谷さんよぉ。
せめてなんか、弟子とかに、構想だけでも伝えていて欲しかった。
一体この風呂敷どーなるんだべ。
というね。
まぁ、モヤモヤする感覚を味わいたい方は是非読んでみたらいいと思います。
よろしくお願いします。





よろしければランキングに投票お願いします(1日1回有効)
こっちは是非!
  こっちは余暇に!
にほんブログ村 子育てブログへ
というか、主人公の倫太郎っていうのが、トトムとちょっと重なるところがあるんですよ。


主なカテゴリー
ON || 女房 || トトム(兄) || てるる(弟)
育児マンガ(ノンフィクション) || トトムの冒険(フィクション)
ママ業を考える || 子供を育てる社会 || パパの家事・育児参加
癇癪について || アトピーについて || 怒りっぽさ || 怖がり屋
教育・しつけ || お出かけ || 絵本レビュー || 今日のネタ || 買っちゃったもの
このブログについて || 全記事目次 || 1週間でアクセスの多い記事



▲このページの上部へ

« 前の記事 | HOME | 次の記事 »
コメント ( 4 )


itou :

あぁ、あれ未完でしたね。
たしか、最後は「俺たちの戦いはこれからだ!」で
灰谷先生の次回作にご期待ください。でしたね。
次回作といわれてもねぇ。

これ読むならプラチナ・データ観る方がまし

ホモロジー代数 :

わあああ!!!!
これ絶対僕が言ったやつです!!!!(他の人もすすめたのかもしれませんが)
そのときのハンドルネームは覚えていませんが、このブログ内のコメント欄にしたことがあります。
ええと、僕自身知り合いにこの本を頂いたのが、もう4~5年前なので、その頃に書き込んだのではと思います。

その「人間として向き合う」というところ、僕もとても印象に残っています。
自分は、成長編1巻の「自由」についてのくだりが好きです。onさんのblogを見ると、そこに書いてある精神での子どもへの接し方を自然とされていますよね。すごいです。

とにかく読まれていたという事が嬉しいです。


ps:ちなみにですね、上の「僕に天の瞳」を教えてくれた人は、当時丁度その人の一子が生まれるかという時で、それで子育て真っ盛りのこのblogを紹介したことがありました。なんだか妙な話ですね。

PS2:ついでに、上で4~5年前だというのを思い出すときに、同時に、自分は「grow cube」ができた頃に初めてeyezmageに来たことを思い出したので、もうちょくちょく通って8年くらいですか。
いつも本当に楽しみにしています。

SUWA :

ONさんのこのブログを読んで、で読みましたよ。
まわりに、「灰谷健次郎なんか読むの?」というか、「そもそも読書するんだ」と言われながら...
途中からグイグイ惹きつけられましたね。
たしかにすべてに賛同するわけじゃないけど、考えさせられました。
もっと前に読んでおけばよかった、とも思いました。

紹介いただき、ありがとうございます。




全ランキングはこちら


全ランキングはこちら
▲このページの上部へ


« 前の記事 | HOME | 次の記事 »

カテゴリー
アーカイブ


最近のエントリー

リンク
■ランキング ■見上げたパパ ■あっぱれママ ■お役立ち ■今日のネタ集め ■健康 ■スペシャル


スポンサードリンク



このブログのフィードを取得
[フィードとは ]


スポンサードリンク




Twitter Facebook
(子育て専用アカウント)
ページビューランキング ブログパーツ
Copyright EYEZMAZE All Rights Reserved.